今週の焦点はグローバル株式市場の動向にあろう。先週は、米金融引締めリスクとドル高リスクの後退を受け、株式のみならず資源関連アセット(資源関連株/資源国&新興国通貨/原油相場)も堅調に推移した。
ただ、今週もこのトレンドが継続するかどうかは、米株の動向次第となる可能性が高いだろう。グローバル株式の比較チャートをみると、リスク回避圧力が強まった今夏以降、グローバル株式で最も高いパフォーマンスを示しているのが、米国株式であることがわかる。一方、欧州&日本株には米株程の上昇圧力はみられず、また中国やブラジルのそれらは上下に振れる不安定な状況が継続中。要は、米国株式がリスク選好の先導役となっているわけだが、今週より本格化する四半期決算が総じて冴えない内容となれば、グローバル株式市場はリスク選好の先導役を失うことになり、徐々にリスク回避圧力が増していこう。「米株下落→グローバル株式再不安定化」となれば、米債券市場への資金シフトが加速することで、外為市場では「株安/米金利低下」を背景とした円高圧力と、米独金利差縮小を背景としたユーロ買い圧力が強まる展開を想定。
また、リスク回避要因として注視すべきは各国の指標データ、特に米中のそれらだろう。米国の指標データで冴えない内容が続けば、金融引締めリスクよりもファンダメンタルズ改善スピードの後退懸念が意識される可能性がある。一方、中国の指標データでは、13日の貿易統計(特に輸入)及び14日の消費者物価指数及び生産者物価指数に市場の注目が集まろう。総じて市場予想を下振れる内容となれば、同国への景気減速懸念が再び台頭することで、先週堅調だった資源関連アセットを中心に売り圧力が強まる可能性があろう。
【グローバル株式パフォーマンス比較チャート(直近6ヶ月)】
黄:米株(S&P500) 紫:欧州株(STOCK50) 緑:日株 青:中国株(上海総合) 赤:ブラジルボベスパ
出所:Thomson Reuters Eikon