「上昇基調を維持する米金利 / 軟調地合いの米国株式」という状況が継続中。VIX指数は14.00-15.00レベルで推移。また昨日は、石油輸出国機構(OPEC)が5日、減産見送りを決定したにもかかわらず原油相場が1バレル=60ドル台を回復し、外為市場では加ドル(CAD)をはじめとした資源国通貨が底堅い展開となっている点を鑑みるに、投資家のリスク許容度が縮小している傾向は確認できない。よって、現状の米株の下落は調整の範囲内と捉えたい。
だが、イエレンFRB議長の「年内利上げ」発言(5月22日)以降、米国株式市場では主要3市場が揃って上値を切り下げる一方、VIX指数は徐々に上昇しており、米利上げに対する警戒感が意識されているのは明白。米株が「緩和マネー依存症」に苦しんでいるこのタイミングで、明日以降の米指標データが総じて好調な内容だった場合、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)への警戒感が強まろう。結果、米株での調整色がリスク回避色へ変化する可能性がある点に注視しておきたい。
その場合、米金利の上昇圧力が相殺されることで、USD/JPYは目先のサポートポイント123.70レベル、21日MA(今日現在122.60前後)そして3月10日安値122.03レベルを視野に下落幅が拡大する可能性があろう。
【テクニカル分析コメント】-EUR/USD、アセンディングトライアングル形成中
レジスタンス
1.1467:5/15高値
1.1400:厚いオファー
1.1392:5/7高値
1.1380:6/4高値
1.1350:6/9高値
1.1310-20:オファー
サポート
1.1200:ビッド
1.1150:NYオプションカット(10日)
1.1145:一目/基準線、10日&21日MA
1.1100:ビッド
EUR/USDは、アセンディングトライアングルを形成中。RSIが売り買い分水嶺の50.00を上回る水準を維持している状況も鑑みるに、反落しても目先は下値の堅い展開が想定される。焦点は、日足の一目/基準線(赤ライン)、10日MA(黄ライン)そして21日MA(緑ライン)が密集している1.1145前後の維持となろう。
一方、上値は第一のレンジスタンスライン1.14レベルを突破出来るかが注目される。6月4日はこのレベルで上値が抑えられトンカチ(陽線)が示現。1.1400にオファーが観測されていることも考えるなら、強固に上値をレジストする可能性があろう。
日足チャート