今週の外為市場では、冴えない非農業部門雇用者数(3月)の影響を見極めることが焦点になると昨日指摘した。
注目のドル相場は上記の通りドルショートカバーの展開となったが、注目すべきはEUR/USDやUSD/JPYがチャートポイントを維持したことに加え、NY原油先物5月限(WTI)/ブレント先物5 月限(ICE)が共に5-6%以上急反発したにもかかわらず、対資源国通貨でもドル買い優勢となったことだろう。
これら値動きが示唆するところは、米金融政策に関する市場のテーマが、6月利上げから年内利上げ(9月~12月利上げ)にシフトしているということだろう。米利上げの時期が後ずれしても、日欧を筆頭に主要国が緩和スタンスを鮮明にしている以上、イエレンFRBが緩和の「出口」に一番近いポジションにいる事実は変わらない。よって、米国とその他の国との金融政策のコントラスト(方向性の違い)も不変であり、短期的にドルロングの調整(ドル売り)は見られても、根底部分(金融政策のコントラスト)が崩れない限り、それ(ドル売り)がトレンド化する可能性は現時点で限りなく低いということだ。
また、上記(金融政策のコントラスト)を前提にした場合、6月利上げ観測の後退は中長期的にはドル高要因と捉えることもできる。短期的には「株高オンリーのリスク選好」を背景にドルロングの調整(ドル売り)が散見さるだろうが、イエレンFRBによる年内利上げが意識されている状況下での株高維持は、米金利の上昇圧力を強める要因になることは昨日の値動きが示しているからだ。
【テクニカル分析コメント】- EUR/USD、1.1050突破か短期サポートラインブレイクか
レジスタンス
1.1125:リトレースメント61.80%
1.1053:3/26高値
1.1050:オファー
サポート
1.0883:一目/転換線(黄ライン)
1.0850:ビッド
1.0840:一目/基準線(赤ライン)
1.0800:短期サポートライン、ビッド
1.0786:21日MA
1.10台での上値の重さは変わらず。1.1050レベルを突破しない限り、常にダウンサイドリスクに警戒したい(戻り売りスタンスで臨みたい)。
下値トライとなった場合、テクニカルポイントとして注視すべきは一目/転換線(1.0883レベル、黄ライン)、基準線(1.0840レベル、赤ライン)そして21日MA(1.0786レベル、緑ライン)となろう。
3日の反発とオーダー状況も合わせて考えるならば、基準線を維持出来るかが目先の注目ポイントとなろう。
このサポートポイントを下方ブレイクした場合は、21日MAと短期サポートラインが上下に展開している1.0800の維持が焦点として浮上しよう。