今週はジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長の講演が注目材料である。経済指標では、耐久財受注や住宅関連の指標が発表される。また米共和党は24日から共和党大会を開催する。S&P 500は新型コロナウイルスの影響による下落を回復し、先週金曜日では史上最高値でクローズした。商品市場では、２つのハリケーンがメキシコ湾に接近していることが注目されている。本記事では今週注目するべき3つのポイントを紹介する。
パウエルFRB議長のジャクソンホール会合講演
パウエルFRB議長は27日に、カンザスシティー連銀が主催する年次シンポジウム、通称ジャクソンホール会合で金融政策の課題について講演する。
金融危機の度、FRB議長によるジャクソンホール会合での金融政策の見通しが注目されてきた。パンデミック後の講演としては、約40年ぶりとなる。
特に9月のFRBの政策決定会合を前にして、FRBがインフレ目標を平均値にシフトするかどうかが大きな焦点となっている。
議会が新たな景気刺激策の合意に至らなかった場合、FRBが経済を強化するための追加的な策を検討しているという兆候にも注目するべきだろう。
経済指標の回復は不安定か
米国は26日に7月の耐久財受注を発表する予定で、経済が再開したことで先月の成長は堅調に推移したことを示すと予想されている。
市場参加者はまた、25日と27日にそれぞれ新規と中古 住宅販売を注目しているだろう。記録的低金利の住宅ローンとパンデミックの間に経済の明るい見通しを与える可能性がある。
また今週は、個人所得、個人支出、消費者信頼感指数、ミシガン大学消費者信頼感指数、新規失業保険申請件数の発表がある。
共和党大会
トランプ米大統領による共和党指名大会が24日に開催されるため、マーケットはこれにも注目しているだろう。大会は27日の夜、ホワイトハウスの南芝生で行われるトランプ氏のスピーチで幕を閉じると予想される。
トランプ大統領は21日に、ジョー・バイデン氏が11月に勝利した場合、彼ではなく民主党が米国に混沌をもたらすだろうとしている。
今週も株にとっては大きな一週間？
先週は株式にとって大きな一週間で、S&P 500とNasdaqは、新型コロナウイルスによる下落をすべて取り戻した後、21日にはS&P 500とNasdaq の両方が史上最高値を記録した。
FRBの資産買い入れに刺激され、株式は史上最高値まで上昇し、債券利回りは史上最安値近くになっている。
投資家は今週FRBが景気回復を助けるために何ができるのか、インフレ目標の変更の可能性も含めて、最新の洞察を得ることができるだろう。
メキシコ湾で発生したハリケーンが原油生産を襲う
メキシコ湾を襲うと予想されている熱帯性暴風雨「ローラ」と「マルコ」を前に、先週石油生産者は一部の原油生産を停止し始めた。
マルコとローラはハリケーンとなり、週半ばまでにメキシコ湾岸中央部に上陸すると予想されている。この地域で2つ同時にハリケーンになるとは予想されておらず、それらの進路はメキシコ湾岸の広い範囲をカバーしている。
米国のメキシコ湾沖は、米国の原油の総生産量の17％、米国の{{8862|天然ガス}の総生産量の5％を占めている。また、テキサス州からミシシッピ州にかけての地域は、米国の石油精製能力の45%を占めている。