米国が11月4日から始めるイランへの制裁を前にして、原油価格は供給不足懸念から今週前半で到達した4年ぶりの高値に近い、1バレルあたり82バレルの近くに浮上した。
ロンドン国際石油取引所のブレント先物は午後7時51分時点で前日終値から0.71%上昇して81.36ドルとなり、火曜日につけた2014年11月以来の高値である82.55ドルの少し下の価格を維持した。
WTI 原油価格は0.99%高の72.28ドルで取引され、7月11日以来の高値水準である72.75ドル近くまで上昇している。
イランはOPECの3番目に大きな生産国。石油輸出国機構(OPEC)とロシアを含む非OPEC加盟国は、世界的供給の低下を相殺するために、生産を増強する余裕がほとんどない。
トランプ米大統領は、OPECが「世界を搾取している」と述べ、石油生産の増強を拒否するOPECを非難した。国連総会で語ったところによると、トランプ氏は「長く続くこの恐ろしい価格に米国は我慢しない」と述べた。また、イランからの石油輸入を削減することにより、イランの政権を圧迫するよう他の諸国に要請した。
世界市場が逼迫している一方、国内生産が増加している事実は米国の供給が豊富にあることを意味する。
EIAは水曜の週次レポートで、先週の米国の原油生産量は1日当たり1110万バレルとなったと発表した。原油在庫は、先週185万バレル増えて3億9,599万バレルとなり、127万バレル減の予想に反し増加した。
他のエネルギー取引では、ガソリン先物は0.37%上昇して1ガロンあたり2.0621ドルになり、暖房油は0.66%上昇して2.3188ドルになった。