14日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想する。
英国議会で欧州連合(EU)離脱期限の延期が可決されるとみられ、リスク選好の円売り基調が続く見通し。
ただ、米国のインフレ指標の鈍化で利上げ休止観測が広がり、本日の経済指標が低調ならドルは下押しされそうだ。
焦点となっていた英国の合意なきEU離脱に関しては、前日の議会で政府提案が反対多数で否決され、最悪シナリオを回避。
それを受けポンドが買い戻される一方、安全通貨としてのドルと円が売り込まれた。
今晩はブレグジットの期限を6月末まで延長する提案が政府から示され、賛成多数により可決される公算。
ただ、延長しても解決策は現時点で乏しく、2回目の国民投票や解散・総選挙などへの思惑により前日からのポンド買いは収束するだろう。
来週の英中銀金融政策委員会(MPC)ではハト派寄りの意見が見込まれ、ポンドは目先の取引で買いづらい地合いになるだろう。
今晩も引き続き米国の経済指標が材料視される。
前日は1月耐久財受注が底堅い内容となったが、2月生産者物価指数は予想を下回った。
12日の2月消費者物価指数に続きインフレの鈍化が鮮明になり、連邦準備制度理事会(FRB)が19-20日に開催する連邦公開市場委員会(FOMC)ではハト派寄りの見解を示すとの見方が広がる。
個人消費がやや減退するなか、住宅関連指標の弱さが示されればドルを下押ししよう。
(吉池 威)【今日の欧米市場の予定】・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:22.5万件、前回:22.3万件)・21:30 米・2月輸入物価指数(前月比予想:+0.3%、1月:-0.5%)・23:00 米・1月新築住宅販売件数(予想:62.2万戸、12月:62.1万戸)・英議会:EU離脱期限延長(6月30日まで)の採決