ベネズエラでの二回目の大規模停電の真っ最中に、27日の原油価格が上昇した。停滞する経済成長に対してトレーダーが慎重だったので、上昇はごく限られたものとなった。
日本時間午後2時10分時点でWTI原油先物 は0.2%高の60.04ドル、 ブレント原油先物 も0.2%高の67.60ドルとなった。
25日、ベネズエラは再び大規模停電に見舞われた。このことから、米国含む50か国が退陣を求めているニコラス・マドゥロ首相へ非難の声が挙がっている。
ベネズエラとイランに対する米国の制裁は、OPEC減産と相まって、年初来で25%以上の価格上昇を招いた。
しかしながら、世界的な景気低迷の影響と、米中通商協議の進展やブレグジットなどの不確実要素への懸念は増大している。
OANDA社のシニアマーケットアナリストであるJeff Halley氏は、「イベントドリブントレードによる不安定な相場を経て、均衡状態に達したようだ。そして、価格の方向感を決める新たな材料が必要である」とロイターの報道で述べた。
米国とヨーロッパからの軟調な経済統計に続いて、先週末に逆イールドが発生した。それにより、米国の景気後退の恐れを浮かび上がらせるものとなった。
2011年以来急速な経済成長を続けてきた中国もまた、2019年1、2月における工業利益が低調な結果となっていると発表し、世界的な経済成長への懸念を示した。
「世界経済の後退や軟調な経済統計に対する懸念を受けて、ここ数日間のマーケットは下落した。投資家は今後数日間で価格が上昇する材料を探しているだろう」と楽天証券のアナリストはCNBCの報道で述べた。
他方、26日午後にアメリカ石油協会(API)が発表したところによると、米国石油在庫は120万バレル減の予想に対して190万バレル増であった。
米国エネルギー情報局(EIA)は本日、先週の原油在庫量が約1万バレル減となることを発表することが予想されている。