8日の原油価格はOPEC加盟国であるリビヤの情勢不安により価格が上昇している。
午後3時35分の時点でWTI原油は0.54%高で63.42ドル、ブレント原油は0.51%高で70.70ドルとなっている。
リビア暫定政府と対立している軍事組織「リビヤ国民軍」を率いるハリファ・ハフタル司令官は5日、リビア首都トリポリへの進軍を命じ空爆を実施している。先週の抗争から少なくとも35人が死亡していると、ブルームバーグが伝えている。
リビア暫定政府は7日、リビヤ国民軍を掃討する軍事作戦を開始すると声明を出したと報じられている。
ANZのアナリストは「このリスクは、世界的に日に日に高まっていくだろう」と述べている。
WTI原油は年初来39%上昇し、ブレント原油では31%の上昇である。
OPECによる原油減産や、世界2大原油輸入国である中国と米国の経済指標が最近では予想を上回り原油需要への高まりを示唆していることによって、原油価格の上昇が支えられている。
3月の時点で、OPEC加盟国の14カ国の原油産出は4ヶ月連続で減少している(日量29万5000バレル減で、日量3038万5000バレル)。ブルームバーグによると、サウジアラビアにいたっては過去4年間で最低水準である日量982万バレルまで減産している。
先週金曜日の雇用統計(3月)では17万5000人増の予想を上回り、19万6000人増と発表された。
また、トランプ米大統領は、FRBが利下げに踏み込めば、米国経済は「ロケットシップ(宇宙船)」のように上昇していくと述べた。
中国のCaixin製造業PMI(3月)は予想を上回ったことにより、世界で2番目の経済大国の低迷への懸念は弱まった。
最近では米中貿易協議への期待が高まっており、市場心理の回復が窺える。