7日の金価格は横ばいとなっている。ドナルド・トランプ米大統領による対中関税引き上げの声明を受けて、地政学的リスクが高まっている。
日本時間午後5時における、ニューヨーク商品取引所(COMEX)の6月限金先物価格は前日比横ばいで1オンス当たり1283.75ドルとなっている。
トランプ大統領は中国との通商協議の進展に対して不満を示し、2000億相当の中国製品に対する関税を現在の10%から25%に10日以降引き上げることを表明した。このことを受けて、昨日の金価格は上昇していた。
金は経済や政治情勢のリスクをヘッジする目的で買われることがある。
SPIアセットマネジメントのステファン・イネス氏は「米中貿易摩擦は金に対して好材料となっているが、依然として金はそれに伴った値動きを見せていないことが驚きである」と述べた。
「一部の投資家は中東情勢の緊迫化に注目しており、これら2つの材料は金価格を上昇させるのに十分である。しかし、投資家は金が1285ドルを上回ることに消極的である」と同氏は付け足した。
米中通商協議が決裂したわけではないことが報じられ、7日のアジア株式市場は反発している。ロバート・ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は、中国の劉鶴副総理が今週訪米し、通商協議に臨む意向であることを確認した。
スティーブン・ムニューシン米財務長官は、協議が再び順調に進む場合米国は関税を再検討すると述べ、米中間での合意の可能性を示した。