加熱する米中貿易戦争を相殺している一方で、中東の地政学的リスクが高まり原油価格は上昇している。
日本時間14日午後12時44分時点で6月限WTI原油先物は0.31%高の61.23。7月限ブレント原油先物は0.38%高の70.50となった。
サウジ当局はアラブ首長国連邦のフジャイラ沖で、同国の石油タンカー2隻に破壊攻撃を受けたと発表した。
また、イラン外務省報道官は「世界で最も重要な原油輸送水路」であるホルムズ海峡の外側で攻撃を受けたと述べた。
関与が疑われる国や組織は明らかになっていない。
一方、米中貿易協議も注目を集めている。
トランプ政権が2000億ドル相当の中国製品に対する関税を25%に引き上げたことを受け、中国当局は13日、600億ドル相当の米国製品に報復関税を課すことを発表した。
米中貿易戦争によりほとんどのリスク資産が値下がりしている。香港市場が1.5%以上値下がりするなど、アジア市場は軒並み後退している。
ロイター報によると、OANDAのシニアマーケットアナリストであるAlfonso Esparza氏は「本格的な米中貿易戦争の激化は世界的な経済成長に持続的な影響を及ぼし、エネルギー需要を限定的にするだろう。混乱により市場均衡が保たれてきたが、需要縮小と米国生産量の増加により、均衡が覆される可能性がある」と述べた。