原油先物は地合いが悪化している。米原油在庫が記録的な水準まで増加する一方、経済後退と貿易摩擦により原油需要が脅かされている。
6日午後5時54分時点でWTI原油先物は0.93%高の52.16ドル、ブレント原油先物は0.99%高の61.23ドル。
WTI原油、ブレント原油は米原油在庫の増加により1月以来の安値を付けている。
米エネルギー情報局(EIA)は5日、5月最終週の原油在庫は予想を大幅に上回り日量1億2440万バレル増、前週比677万1000バレル増加したと発表した。
EIAによると、5月最終週における米製油所の原油処理量は平均日量1690万バレルで、前週平均から日量17万1000バレル増加した。
Tortoise Capital AdvisorsのMatt Sallee・ポートフォリオマネジャーは「原油価格が崩壊しても何ら驚きはない。貿易協議における進展で市場心理が変化するまで、原油価格が安定することはないだろう」と述べた。
OPECプラスは原油価格を支えるべく、年初から協調減産を行っている。今月末あるいは来月初旬の会合で減産合意の継続が議論される。
また、原油需要は経済成長の鈍化や貿易摩擦によっても下げ圧力を受ける。
ロイターは「直近のデータによると、貿易摩擦を受け回復が失速したことで、原油価格が半減する可能性も考えられる」とした投資銀行のモルガンスタンレー(NYSE:MS)の見解を引用している。
なおモルガンスタンレーは2008年の「リーマンショック以来の低成長」も予想している。