[シンガポール 16日 ロイター] - 原油先物は16日のアジア時間に小幅に上昇。株高を受けて買いが先行したほか、英国の欧州連合(EU)離脱を巡る合意への期待感や、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟主要産油国による一段の減産の可能性を示唆する発言が材料視されている。
ただ、世界経済の減速を巡る根強い懸念が上値を抑えている。
0103GMT(日本時間午前10時03分)時点で、北海ブレント先物 (LCOc1)は0.11ドル(0.2%)高の1バレル=58.85ドル。米WTI (CLc1)は0.10ドル(0.2%)高の52.91ドル。
OANDAの上級市場アナリスト、エドワード・モヤ氏は「米中貿易戦争とブレグジット(英EU離脱)という世界的な石油需要への2大テールリスクが和らいだことから、原油に関して強気なポジションが多少構築されている」と指摘。
「近い将来に広範な貿易合意がまとまる可能性は低いとみられるが、米中貿易戦争を巡るリスクは後退している」とした。
英国とEUは15日、今週開かれるEU首脳会議での承認を目指し、新たな離脱協定案を巡り深夜過ぎまで協議を行った。ただ、今月31日の離脱期日の再延長を回避できるかどうかは、まだ分からない状況だ。
一方、OPECのバルキンド事務局長は15日、OPECと非加盟主要産油国で構成する「OPECプラス」が来年以降も市場の安定を維持できるよう、「できる限りのことを行うはずだ」と述べた。