[ドバイ 27日 ロイター] - 国際金融協会(IIF)は、イランが2015年に世界の主要6カ国と結んだ核合意について、範囲を拡大せずに当初の条件のままで復活させた場合には、イランの景気回復は小幅なものにとどまる可能性が高いとするリポートを公表した。
保守強硬派のエブラヒム・ライシ師が今月のイラン大統領選で勝利したことで、核交渉が頓挫することはないだろうが、合意の範囲拡大は困難になる可能性があるとした。
IIFは「JCPOA(包括的共同行動計画)交渉の結果として考えられるのは、2015年の合意に戻ることで、多くの制裁措置が維持される。このような限定的な合意では、西側企業による多額の投資が抑止され、成長率の急激な回復は見込めない」と分析した。
IIFの試算によると、2015年の条件に戻す以上の包括的な新核合意が成立した場合、イランの今年の実質国内総生産(GDP)は4.3%増加し、2022年には5.9%、23年には5.8%それぞれ増加する。
一方、当初の条件のままで合意すれば、今年のイラン実質GDPは3.5%増にとどまり、22年は4.1%、23年は3.8%成長となる可能性があるとした。