[リマ 28日 ロイター] - 今月6日に行われたペルー大統領選決選投票で急進左派ペドロ・カスティジョ氏に僅差で敗れた中道右派ケイコ・フジモリ氏は不正があったとして敗北を認めていないが、同調する意見は増えておらず、このまま結果を覆せずに時間切れになる可能性がある。
フジモリ氏はカスティジョ氏に4万4000票差で劣勢だった。フジモリ氏は一部の票の無効化を申し立てている。
ただ、同氏の味方に付くと見られていた保守系有力紙コメルシオなどは同氏と距離を置いている。
コメルシオはこれまで総じてフジモリ氏を支持してきたが、前週末に掲載した社説では「もう十分だ」と訴えた。「当初は合法的な手段で一部の票の適切性に疑義を唱えた形だったが、政治の異なる部門が選挙プロセスを可能な限り遅延させようとする動きに発展しつつある」と論じた。
カスティジョ氏の自由ペルー党と選挙管理当局は不正はなかったとしており、国際選挙監視団も透明性が確保されたと判断した。米国務省はペルー大統領選は「民主主義の模範」とし、公正だったとの評価を示した。
フジモリ氏は28日、サガスティ暫定大統領に書簡を渡し、選挙に関する国際審査の実施を求めた。有権者や退役軍人の一部はフジモリ氏の主張に同調している。
選挙審議会は同日、疑問票について審査を再開。最終結果はまだ発表されていない。
カスティジョ氏はこれまで、憲法を改正し、銅を含む鉱物資源会社に増税する方針を打ち出し、投資家や鉱山会社に不安が広がっていた。
ただ、穏健派の経済顧問を起用するなど、市場の不安を和らげようとする姿勢も打ち出している。前週末には、広く尊敬を集めているフリオ・ベラルデ中央銀行総裁を再任する考えを表明、市場には先行き安定のシグナルと受け止められた。