[19日 ロイター] - 米石油大手エクソンモービルの新たな最高財務責任者(CFO)に女性の外部出身者であるキャサーン・ミケルズ氏が8月9日に就任する。投資家の圧力を受けてエネルギー各社は労働力の多様化を図る中、エクソンのトップ経営陣である経営委員会に女性が加わるのも、外部から加わるのもいずれも初めてとなる。
エクソンのウェブサイトによると、現在まで上級副社長らはいずれも男性および内部出身者で占められており、最高経営責任者(CEO)と上級副社長3人で構成される現経営委員会のメンバー4人全員は同社での経験が20年以上経っている。
エクソンのウッズCEOは19日付の発表文で「われわれはキャシー(ミケルズ氏)のエクソンモービル入りを歓迎しており、ともに戦略を進め株主価値を高める中で彼女の視点と経験に期待している」とした。
ミケルズ氏は外部の投資家が取締役会の刷新を主導した今年の株主総会以降、エクソンが外部から人材を起用した初めての大型人事だ。株主総会では「物言う株主」であるエンジン・ナンバーワンが複数の取締役候補を提案し、元アンデバーCEOのグレッグ・ゴフ氏らが選出された。
ニューヨークのアナリスト、ポール・サンキー氏は「経営とトーンの変化を示す明確な最初の動きだ。エクソンの歴史は厳格な階層構造だった。既に起きている取締役会の変更からわれわれが予想していた前例のない動きと言える」と述べた。
エクソンの発表文によると、ミケルズ氏は、1978年にエクソン入りし定年となっているプリンシパル財務責任者(上級副社長兼任)のアンドリュー・スウィガー氏の後任となる。
ミケルズ氏はこれまで、蒸留酒メーカーのディアジオやユナイテッド航空で勤務。同航空では燃料ヘッジ戦略担当責任者のほか、アシスタント・リストラクチャリング・オフィサーも務めた。