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エネルギー&貴金属 - 週次レビューおよび見通し

発行済 2022-02-13 18:50
© Reuters
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執筆:Barani Krishnan

Investing.com --「混沌の中にこそ、好機あり」。これは古代中国の名将で「兵法」を著した孫子の言葉である。

先週金曜日はプーチン大統領が打ち出す次の行動を見極めようする混沌の中で、強気筋は原油価格を上昇させる新たな好機を見出した。直近、1バレル95ドルのレジスタンスを超え、待望の100ドルにあと一歩のところまで来ていると思われる。

金曜日の混沌は、ニューヨークの午後1時半(ロンドンの午後6時半)前、PBS放送の電報で、米国はプーチンがウクライナに侵攻する決意を固めたとみていると報じられたことから始まった。プーチン大統領はウクライナの国境沿いに集結している軍に対して侵攻の決意を伝えているとのことだ。バイデン政権の高官2人がPBSに語ったところによると、今週には侵攻が予想されるとのことで、Tony Blinken国務長官の考えと一致している、と同報道は付け加えた。

その後、金融市場は大混乱に陥った。15分間の取引で、米国産原油は92ドルから94.66ドルの日中高値を更新し、ブレント原油は93ドルから95.65ドルの高値にそれぞれ跳ね上がった。その他のエネルギーと金属のほぼすべての市場も上昇し、金は3カ月ぶりの高値となる1,862ドルを超えた。

株式市場の主要株価指数は再び下落へと転じ、S&P 500種指数Nasdaqはともに一時3%近く下落した。その後S&P 500は引け間際に小幅反発し2%安で終了した。株式については、当月2週間にわたって上昇した後、1月の悪夢のデジャヴが手招きしているようにみえる。

市場が警戒を続ける中、ホワイトハウスのJake Sullivan国家安全保障顧問は同日午後の記者会見で、世界がオリンピックに釘付けになっている間に、ロシアはウクライナに侵攻する可能性があると述べた。同氏はロシアがウクライナの首都キエフに大規模な軍事行動を起こすのに必要なすべての軍隊を持っていると述べ、おそらく空爆から始まるだろうと警告した。プーチン大統領が考えているように物事が進めば、米国は断固として対応すると強調した。

一方、Sullivan氏は記者会見で、おそらく他に勝るとも劣らない衝撃的な言葉を発した。「プーチン大統領が最終決断を下したとは言っていない」。この発言はホワイトハウスが事態を実際よりも深刻に捉えている可能性を示唆するものであり、多くの市場関係者にとって重要な材料となった。

オンライン取引プラットフォームOANDAのEd Moya氏は「ウクライナ情勢について、落ち着いた状況が続くと予想されていたが、もうそうではないようだ」と懸念を漏らした。

いずれにせよ米国産原油は高値から上昇した分からは多少値を下げ、7週連騰となった後、小幅安に終わった(時間外取引で、日中のピークに接近した)。ブレント原油も下げたがその程度は一層小さく、結局1%強の上昇で引け、8週連騰を記録した。

国際エネルギー機関(IEA)が、世界の石油供給が需要を下回る可能性があると警告したことも、原油を押し上げる要因となった。

IEAは月例報告書の中で、今年の世界の石油需要の予測を日量80万バレル引き上げ、320万バレルとしている。

またIEAは、石油輸出国機構とその同盟国(OPEC+)が2021年以降に市場に供給するはずだった量と実際の供給量の間には、2021年末までに10億バレルの差異がある(実際は供給不足)可能性を示唆した。

IEAの市場・産業部門の責任者であるToril Bosoni氏は、報告書の発表後、ブルームバーグ・テレビのインタビューで、「石油市場は信じられないほど需給が引き締まっている」と述べた。「価格は高騰を続け、今や世界中の消費者にとって不快な水準に達している。」

ロシア・ウクライナ情勢の緊迫化とIEAの警告に先立ち、木曜日が終わった時点で、原油価格は週次で約3%下落していた。イランの石油供給が核合意によって合法的に市場に戻る可能性があるという懸念と、米国のインフレ率の高止まりを抑えるために米連邦準備制度理事会(FRB)が今後数ヶ月の間に月0.5%もの利上げを実施する可能性があるという予想が下落の主な理由だ。

このように、孫子の「混沌と好機」の引用に戻ると、強気筋と弱気筋の両者が、週の別々のタイミングで原油取引による利益をあげたわけだが、金曜日の終値で市場は再び強気側に傾いたのである。

原油価格&テクニカル分析による見通し

ニューヨーク市場で取引されている米国ウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)原油は、1バレル93.10ドルで3.22ドル(3.6%)上昇して取引を終えた。この日WTIは94.65ドルの日中高値を記録した。しかし先週1週間を通じてみると37セント(0.3%)安となり、7週連続の上昇の後、初の下落となった。

ロンドンで取引されているブレント原油は、原油の世界的なベンチマークであり、2.98ドル(3.3%)上昇の94.44ドルで引ける前に95.65ドルの日中最高値に達した。この結果、ブレント原油は週次で1.3%の上昇となり、8週連騰を記録した。

skcharting.com のチーフ・テクニカル・ストラテジスト、Sunil Kumar Dixit氏は、チャート上では、両ベンチマークは8週連続の上昇の後、買われ過ぎになっていると述べている。

「実際、非常に買われすぎている」とDixitは言う。「WTIの場合、今週の安値88.40ドルから高値94.65ドルへの上昇で、週足ストキャスティクスは94/9、週足RSIは71を記録している」と分析する。

「これらは、短中期で少なくとも88ドル、77ドルへの調整が迫っていることを示すものであり、買われ過ぎの素地が出来上がっているといえる。しかし、調整は本当に起きるだろうか。ウクライナ危機が意識されている限り、下落に転じることはないだろう。」 

同氏は90ドルと92ドルを超える水準になると、WTIは98ドルへのポジションを強化し、最終的には待望の100ドルを超え、101ドルと107ドルが次の目標価格になる可能性がある、と付け加えた。

金価格&市場動向

金が最後に1860ドルを超えたのは3ヶ月前、1日で2%上昇したのは6ヶ月前と、市場の強気筋とっては忘れてしまうほど昔の話だ。

しかし、今回の1860ドルを超える水準への上昇は、ロシア・ウクライナ情勢に対する米国の自体緊迫化の報道を受けて、先週金曜日の取引時間中に起こったことであり、週を通してみるとComexは3%上昇したことになる。

ニューヨークのComexで最も活発な先物取引である4月限は、4.70ドル(0.3%)上昇し、1オンス1842.10ドルで取引された。

この価格をつけたのは米国がロシアがウクライナへの侵攻を決定したと考えていると報道される前のことである。

この報道前は小幅な上昇に留まっていたにもかかわらず、報道後は4月限の金先物価格は猛烈に上昇し始め、さらに25ドル上昇して1867.25ドルに達し、11月初旬以来の高値、そして先週月曜日につけた週次の高値を更新した。

ホワイトハウスの国家安全保障アドバイザーのJake Sullivan氏が、ロシアは次週までに間違いなくウクライナを攻撃するという主張を一部撤回した後も、原油価格とは異なり、金はほとんど高値圏に留まった。金の長らく忘れられていた安全資産としての特性が力強く戻ってきたといえるだろう。

高騰するインフレに対処するため、米国の利上げが過剰になるとの懸念が繰り返される中、金が重要な節目である1800ドル以上を維持できていることは、市場の強気筋にとっては嬉しいことだ。

金は来週までに1900ドルに到達するのだろうか、というのが足元の投資家の疑問である。

この疑問に対しては、ロシア・ウクライナにおける地政学的リスクの動向が重要となる。金の安全資産としての役割が、足元復活しているのだ。

金のテクニカル分析による見通し

skcharting.comのDixit氏は、金は現在の勢いのまま1900ドルに到達する可能性がかなりあると期待する。

同氏は、「機関投資家レベルで妨害工作が行われる中、金は久しぶりに毎週高位な上昇トレンドを続けている」と述べ、いわゆるブリオン・バンクが金価格を低迷させるために行った過去の工作について言及した。

1808ドルのサポートからの上昇で、金は複数のレジスタンス・レベルを突破し、1865ドルを記録、週次ベースでは1859ドルで先週の取引を終え、41ドル上昇した。

週足のストキャスティックスは50/50、RSIは57で、現在の勢いが続くことを示唆していると、同氏は述べた。

「1860ドルは、1678ドルから1916ドルのメジャー・リトレースメントのフィボナッチ23.6%レベルに相当するため、金が調整局面においても1843ドルから1825ドルのサポート・ゾーンを維持できれば、価格は1900ドルから1916ドルまで継続的に上昇する可能性がある」と同氏は分析する。

免責事項:Barani Krishnan氏は、自身が執筆している商品および証券のポジションを保有していない。

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