[28日 ロイター] - フェイスブックを運営する米メタ・プラットフォームズは、ハッカーグループが交流サイト(SNS)のフェイスブックを利用し、ウクライナの軍高官や政治家、ジャーナリストを含む著名人を標的にしていたと発表した。
また、過去48時間で、ロシアなどからウクライナをターゲットにしていたフェイスブックと写真共有アプリ「インスタグラム」の約40の偽アカウントやグループなどを削除したと発表。組織的な不正行為に対する規則に違反したためとしている。
ツイッターも、プラットフォームの操作やスパムに関する規則に違反したとして、10余りのアカウントを停止し、複数のリンクを共有できないようにした。調査ではロシアのアカウントであることや、ウクライナでの紛争を巡る会話を混乱させようとしたことが示されているという。
また、動画投稿サイト「ユーチューブ」の広報担当者は、ロシアと関連する協調活動に関する調査の一環として、登録者数が合計90人に満たない複数のチャンネルを終了させたと述べた。
メタは28日付のブログで、ハッキングは「ゴーストライター」として知られるグループによるものであり、この集団は標的とするアカウントにアクセスしていたと説明。ハッカーはウクライナ軍の弱体化を示そうとするアカウントからユーチューブに動画を投稿しようとしていた。この中には、降伏の白旗を掲げるウクライナ兵を映したとする動画もあったという。
ウクライナのサイバーセキュリティー当局は25日、隣国ベラルーシのハッカーがウクライナ軍関係者などの私的な電子メールアドレスを標的にしていると発表。「UNC1151」というコードネームのグループの仕業だとした。米国のサイバーセキュリティー企業ファイア・アイは以前、このグループとゴーストライターの活動を関連付けたことがある。
メタのセキュリティーチームは、標的にされたアカウントを保護するための措置を講じ、ハッカーが使用したフィッシングドメインをブロックしたと表明。また、標的になった人物の名前は明かさなかったが、可能な限り警告を発したという。
同社によると、ほかにも首都キエフに拠点を置くとする架空の人物を作り上げ、独立系ニュース機関に見せ掛けた少数のウェブサイトを運営する動きもあるという。これらのウェブサイトは、西側がウクライナを裏切っているという主張やウクライナが機能不全に陥っているという主張を展開していた。