[ウィーン 1日 ロイター] - 国際原子力機関(IAEA)が2日に開く緊急会合で、ロシアによるウクライナ侵攻を非難する公算があることが同会合に向け準備されている決議文書の草案で分かった。
緊急会合はカナダとポーランドが開催を要請。両国が決議文書の作成を主導している。決議文書はまだ正式に提出されておらず、現時点での草案は大半のIAEA理事国の支持を得ているものの、一段の支持を獲得するために、内容が薄められる可能性がある。
ロイターが入手した草案によると、理事会は「ロシアによるウクライナ侵攻を最も強い言葉で非難する」と表明。 ロシアの行動は「原子力事故のリスクを著しく高め、ウクライナと近隣国の住民、および国際社会危険にさらす」とし、これに対し「重大な懸念を表明する」としている。
その上で、ウクライナ当局が全ての原子力施設の完全な管理を速やかに回復できるよう、ロシアに対しチェルノブイリなどでの活動を停止するよう求めている。
IAEAがこうした強い口調で非難するのは通例あまりなく、ロシアの反発を招く可能性がある。
IAEA理事国を務める国の外交官は、ウクライナには1986年に爆発事故を起こしたチェルノブイリ原子力発電所を含む4つの原発があると指摘。「核施設をリスクにさらす軍事侵攻という形で、核開発計画が現実に起きている」と語った。