[モスクワ 1日 ロイター] - ロシア石油会社の一部は、米制裁対象に指定されたVTBやズベルバンクを含む銀行の保有口座を解約し、制裁対象ではないロスバンク、ウニクレディト、ライファイゼンなどの銀行に乗り換えている。事情に詳しい関係者5人が明らかにした。
米国はロシアの銀行大手5行を制裁対象に指定。政府系のスベルバンクとVTBが含まれており、これまで石油・ガス開発事業の資金調達やエネルギー貿易の円滑化で広く活用されてきた。
ロシアのエネルギー会社自体は米欧の制裁対象となっていない。しかし、欧米の銀行が制裁対象となったロシアの銀行との取引を回避した結果、石油会社の口座への支払いが滞った。
制裁対象の銀行に口座があったあるロシア石油会社の関係筋は「先週以降、取引先から支払いを受け取れなくなった。事業を継続するために変更が必要になった」と明かした。
別の関係筋2人は口座移管で事業を継続できたと説明。ただ、前例のない経済制裁包囲網への対応はなお困難だとした。
関係筋によると、仏ソシエテ・ジェネラル傘下のロスバンク、伊ウニクレディト、オーストリアのライファイゼンが乗り換え先に選ばれているという。
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