[シンガポール 3日 ロイター] - 3日の原油先物は大幅続伸。ウクライナ危機を巡る供給懸念が広がったほか、米原油在庫が数年来の低水準に落ち込む中、ブレントは1バレル=118ドルを突破し9年ぶり高値を付けた。
石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」は2日の閣僚級会合で、4月も現行の増産ペースを維持することで合意した。
0415GMT(日本時間午後1時15分)時点で、北海ブレント先物は3.67ドル(3.2%)高の116.60ドル。その後は5ドル超上昇し2013年2月以来の高値となる118.12ドルを付けた。
米WTI先物は2.41ドル(2.2%)高の113.01ドル。一時4ドル超上昇し11年ぶりの高値となる114.70ドルを付けた。
ANZのアナリストはノートで「米ホワイトハウスはロシアの石油精製を対象とした輸出規制を適用すると発表し、ロシアへの圧力を強めた」と指摘。「ロシアの石油供給が引き続き制約を受けるという懸念が増した」とした。
RBCキャピタルのアナリスト、ヘリマ・クロフト氏は、OPECプラスの決定について「原油市場を沈静化させるためにシグナルを送ることを実質的に放棄した」と述べた。
また、イラン核合意再建交渉がまとまれば市場の需給が緩和するとの見方に対し、まだ合意できていない上に、イランが輸出を再開してもロシア産原油の供給混乱を埋め合わせるには不十分と指摘した。
一方、米国の在庫は引き続き減少。オクラホマ州クッシングの主要な原油ハブのタンクは2018年以来の低水準となっている。また、ホワイトハウスが1日に発表した協調放出よりも前の時点で、米戦略備蓄が約20年ぶりの低水準まで落ち込んだ。