[ヒューストン 3日 ロイター] - 米国時間の原油先物は2%超下落した。イラン核合意再建協議が近くまとまり、原油供給が増える可能性があるとの期待を受けた。
清算値は、北海ブレント先物が2.47ドル(2.2%)安の1バレル=110.46ドル。米WTI先物が2.93ドル(2.6%)安の107.67ドル。
ただ地合いは不安定で、ロシアを巡る懸念から序盤には数年ぶりの高値を付けた。北海ブレントは119.84ドルと2012年5月以来、WTIは116.57ドルと08年9月以来の高値に浮上した。
西側は今のところロシアの石油・ガス輸出に対する制裁に踏み切っていないが、トレーダーの間ではロシア産を回避する動きが見られる。
イラン核合意の再建協議を巡っては、米国務省のポーター副報道官が3日、「可能な合意に近づいている」と述べた。
5日には国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長がテヘランを訪問する。
コンサルティング会社ユーラシア・グループは「グロッシ氏の訪問で(核合意)復活の確率は60%から70%に上昇する」とした上で、「今月中、早ければ向こう数日以内に合意する可能性が高い」との見方を示した。
ただ、イランからの供給が増加しても、トレーダーのロシア産回避による穴を埋めるには不十分な可能性がある。ロシアは世界の原油輸出の約8%を占める。
ライスタッド・エナジーのジャランド・ライスタッド最高経営責任者(CEO)は「制裁による間接的な影響や企業の自主的な措置により、ロシアの原油輸出は日量100万バレル落ち込む見通しだ」とし、「原油価格の上昇は続き、130ドルを超える可能性もある」と述べた。