[ニューヨーク 6日 ロイター] - 原油先物は米国時間6日(日本時間7日午前)、2008年以来の高値に急伸した。イラン核合意再建に向けた協議を巡る不透明感の高まりでイラン産原油の輸出再開が遅れる見通しとなり、ロシア産原油の供給停滞で急騰していた相場をさらに押し上げた。
米東部時間午後6時28分(日本時間7日午前8時28時)時点で北海ブレント先物は10.98ドル(9.3%)上昇し、1バレル=129.09ドル。米WTI先物は10.38ドル(9.0%)高の126.06ドル。
ブレント、WTIともに20年5月以来の大幅上昇を記録する水準。
米国時間6日の取引開始直後に北海ブレントは139.13ドル、WTIは130.50ドルと、どちらも08年7月以来の高水準を付けた。08年7月にブレントは147.50ドル、WTIは147.27ドルの過去最高値を記録している。
米ガソリンおよび留出油の先物は過去最高値を更新した。
イラン核協議は、先行きに暗雲が漂い始めた。協議に参加しているロシアが6日、ウクライナ侵攻を受けて西側諸国がロシアに発動した制裁が、ロシアとイランの貿易には悪影響を及ぼさないという保証を米国に求めたためだ。
ブリンケン米国務長官は、ウクライナ問題を巡るロシアへの制裁と核合意再建は何の関係もないと反論した。
調査会社エナジー・アスペクツのアムリタ・セン氏は「イランは相場の唯一の実質的な弱材料だったが、核協議の合意が先送りされれば、ロシア産原油が長期間にわたり市場から締め出された場合は特に在庫枯渇がかなり早まる」と指摘。
北海ブレントは7日の取引で125ドルまで上昇し、08年に付けた過去高値の147ドルに近付くと予想した。
JPモルガンのアナリストは、原油先物が年内に185ドルに上昇する可能性があると述べた。