[シンガポール 7日 ロイター] - 原油先物はアジア時間7日、9%強急伸し、2008年以来の高値を付けた。米欧がロシア産石油の禁輸措置を検討する一方、イラン産原油の輸出再開が遅れる見通しとなり、供給逼迫懸念が強まった。
0449GMT(日本時間午後1時49分)時点で北海ブレント先物は12.61ドル(10.6%)上昇の1バレル=130.72ドル。米WTI先物は10.41ドル(9%)高の126.09ドル。
ブレント、WTIともに取引序盤、それぞれ08年7月以来の高値となる139.13ドルと130.50ドルを付けた。08年7月にブレントは147.50ドル、WTIは147.27ドルの過去最高値を記録している。
ブリンケン米国務長官は6日、米国と欧州同盟国がロシアからの石油輸入禁止を検討していると明らかにした。関係筋によると、ホワイトハウスは独自の禁輸案を進める議会委員会と調整しているもようだ。
CMCマーケッツのアナリストは、「禁輸は既に需要増の影響が出ていた石油・ガス供給に非常に大きな圧力となる」と指摘。「短期的に価格は上昇する公算が大きく、150バレルを目指す動きも想定範囲内だ」とした上で「そうなれば世界経済への圧力が一段と高まり、インフレ率は押し上げられるだろう。中央銀行はどの程度の急ピッチで利上げすべきか議論することになる」と述べた。
原油価格は年初から67%急騰している。
燃料価格も08年の最高値を突破。米ガソリン先物は1ガロン=3.890ドル、ヒーティングオイルは4.237ドルに達した。