[ロンドン 8日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)は8日、世界のエネルギー関連の二酸化炭素(CO2)排出量が昨年、過去最高を記録したと発表した。新型コロナウイルス禍からの各国経済の回復や石炭の利用拡大を背景に、再び増加に転じた。
排出量は6%増の363億トンだった。
IEAは、排出量が今後も増え続けないよう図るとともに、エネルギー転換を加速して世界のエネルギー安保やエネルギー小売価格押し下げに寄与する必要性を訴えた。
石炭からの排出量は、過去最高の153億トンで、全体の排出増加分の4割強を占めた。天然ガスからの排出量も75億トンに増え、コロナ禍前の19年の水準を大きく上回った。
国別では、中国が世界の排出量の33%を占め、排出増をけん引。2020年、21年ともに排出量が増えた唯一の主要国となった。
インドは発電での石炭の利用拡大がけん引し、21年の排出量は19年の水準を超えた。
欧米での天然ガス価格の急騰も排出量の増加につながった。発電所は燃料をガスから石炭に切り替えることでコストを抑えられるが、石炭火力発電はガス火力発電の2倍のCO2を排出する。