[ロンドン 24日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)の幹部らは、欧州連合(EU)がロシア産原油の輸入を禁止すれば、消費者が打撃を受けることになるとの懸念をEU側に直接伝えた。複数のOPEC筋が明らかにした。
欧州委員会のシムソン委員(エネルギー担当)はツイッターへの投稿で、OPECのバーキンド事務局長を含む幹部らと16日に会談し、エネルギー市場にとって「異例の時期」について協議したと明らかにした。
OPEC筋の1人は懸念をEUに明確に伝えたと語った。サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)などOPEC主要メンバーは西側諸国とロシアとの間で中立的立場を維持しようとしてきた。一方、ロシアも含めた「OPECプラス」は会合でウクライナ危機への言及を避けてきた。
EUの当局者は16日の会談について問われ、OPECからは原油市場の現状分析が示され、生産計画について説明があったと明かした上で「将来的な制裁についてはいかなる選択肢も排除していない」と強調した。
米英はロシア産原油の禁輸措置に踏み切ったが、天然ガス供給の40%をロシアに依存するEUでは加盟国の意見が分かれている。
EU外相は21日、ロシアの原油部門に対する制裁措置の導入について討議したものの、見解は一致しなかった。