［メルボルン ３０日 ロイター］ - ３０日の原油先物は反発している。ロシアとウクライナの和平交渉の進展が期待されるものの、先週の米原油在庫が大幅に減少したことから、需給逼迫が改めて意識された。
北海ブレント先物は取引開始直後に１バレル＝１１２.７８ドルの高値を付け、０００５ＧＭＴ（日本時間午前９時０５分）時点では１.３５ドル（１．２％）高の１１１.５８ドル。前営業日は２％安だった。
米ＷＴＩ先物は１.２９ドル（１．２％）高の１０５.５３ドル。前営業日は１．６％下落した。
市場関係者によると、米石油協会（ＡＰＩ）は２５日までの１週間に原油在庫が３００万バレル減少したと報告し、焦点が供給タイト化に移った。[API/S]
この減少幅はロイターが調査したアナリスト１０人の予想平均の３倍に当たる。
ロシアのフォミン国防次官は２９日、ウクライナの首都キエフと北部チェルニヒウ近郊における軍事活動を大幅に縮小すると発表した。停戦交渉が順調に進んでいる兆候を示唆した。
コモンウェルス銀行のアナリスト、トビン・ゴリー氏はノートの中で「（原油先物価格の）回復は、少なくとも石油市場がいかなる『進展』に対しても強い懐疑心を抱いていることを示唆している」と指摘した。
複数の関係筋によると、石油輸出国機構（ＯＰＥＣ）加盟国とロシアなどの非加盟国で構成する「ＯＰＥＣプラス」が３１日に開催する会合では、既に合意している日量４０万バレルを上回る増産に踏み切る可能性は低い。