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国連事務総長、ロシアにウクライナからの安全な穀物輸出認めるよう訴え

発行済 2022-05-19 08:00
更新済 2022-05-19 08:10
© Reuters.  5月18日、国連のグテレス事務総長(左)は、ブリンケン米国務長官(中央)が国連本部で開いた食料安全保障に関する閣僚級会議に出席し、ロシアに対してウクライナからの穀物輸出

[国連 18日 ロイター] - 国連のグテレス事務総長は18日、ブリンケン米国務長官が国連本部で開いた食料安全保障に関する閣僚級会議に出席し、ロシアに対してウクライナからの穀物輸出の安全を確保し、ロシア産食料・肥料への「完全かつ無制限のアクセス」を認めるよう改めて訴えた。

ロシアによるウクライナ侵攻をきっかけに、穀物や食用油、燃料、肥料の国際価格が高騰。グテレス氏は、これが貧困国における食料、エネルギー、経済の危機を悪化させると警告し、何千万人もが食料不足とその後の栄養不良、飢饉に陥る状態が何年も続きかねないと懸念を示した。

こうした中でグテレス氏は、ウクライナ産穀物の輸出再開に向けてロシア、ウクライナ、トルコ、米国、欧州連合(EU)と緊密に連絡しているとした上で「希望を持っているが、道のりはなお遠い。安全保障と経済、金融の諸要素が複雑に絡んでいるので、全ての関係者の善意こそが求められる」と語った。

ウクライナはロシアの侵攻を受ける前まで、黒海に面した港湾から輸出品を積み出していたが、現在は鉄道ないしドナウ川の小さな港しか利用できなくなっている。

© Reuters.  5月18日、国連のグテレス事務総長(左)は、ブリンケン米国務長官(中央)が国連本部で開いた食料安全保障に関する閣僚級会議に出席し、ロシアに対してウクライナからの穀物輸出の安全を確保し、ロシア産食料・肥料への「完全かつ無制限のアクセス」を認めるよう改めて訴えた(2022年 ロイター/Eduardo Munoz)

国連世界食糧計画(WFP)のビーズリー事務局長はロシアのプーチン大統領に向けて「少しでも良心があるなら、(ウクライナの)港湾をどうか開放してほしい。これはウクライナの問題ではなく、われわれが話をしている間にも、世界でも最も貧しい人々が飢餓の瀬戸際にあるということだ」とメッセージを送った。

ロシアとウクライナからの小麦供給量は合計で世界全体の3分の1近くに上る。ウクライナはトウモロコシ、大麦、ひまわり油などの主要輸出国で、ロシアと同盟国ベラルーシは肥料となるカリの輸出が世界の4割を超えている。

ブリンケン氏も、ロシアはウクライナが陸上ないし海上から食料その他重要物資を安全に輸送できるような「回廊」を設置すべきだと指摘。「目下ウクライナのサイロには推定で2200万トンの穀物があり、国外に持ち出されさえすれば、それを必要とする人々に直ちに行き渡ることになる」と述べた。

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