[ヒューストン 8日 ロイター] - 輸出向けに米天然ガスの液化加工を手掛けるフリーポートLNGは、テキサス州ガルフコーストにある同社工場で8日発生した爆発と火災を受け、少なくとも3週間稼働を停止する。設備の被害状況を確認し、同日夜に明らかにした。
事故を受けて米天然ガス先物は急落した。欧州やアジアの市場にも影響が広がる見込みだとアナリストは指摘する。
フリーポートの稼働停止は、ウクライナに侵攻したロシアのLNGからシフトする欧州の動きや中国の需要回復で既に逼迫している市場から主要な供給源を奪うことになるという。
調査会社ラピダン・エナジーのグローバル・ガス・LNG担当責任者、アレックス・マントン氏は「米主要施設における重大な生産停止だ」と述べた。
3週間の操業停止により市場は少なくとも100万トンのLNGを失うとし、「LNGは不足する。スポット市場の競争は世界的に価格を押し上げるだろう」と語った。
同社によると負傷者はなく、火災も昼ごろまでに鎮圧された。一時避難していた従業員も工場に戻った。
事故を受け、米天然ガス先物は工場の需要に支障をきたすとの懸念から下落。この日は一時、100万英熱量単位(mmBtu)当たり9.664ドルと14年ぶり高値を付けたが、約6%安の8.699ドルで取引を終えた。
フリーポートLNGは爆発の原因について調査中としている。
この工場では1日当たり最大21億立法フィートの天然ガスを輸出向けに液化加工できる。10億立法フィートのガスは、米国の約500万世帯の1日分の消費量に相当する。