[17日 ロイター] - ロシアのエネルギー関係者は、西側諸国の制裁により設備の輸入が制限され、国産の代替品には2倍ものコストがかかるため、2035年までに年間1億4000万トンの液化天然ガス(LNG)を生産するという戦略目標の達成に遅れが生じる可能性があると述べた。
この目標は世界のLNG市場で15─20%のシェアに当たる。現在の生産量は4000万トン。
エネルギー省のソロキン次官は17日のフォーラムで、この目標の達成時期見通しについては明言しなかった。
ロシア天然ガス大手ノバテクのレオニード・ミケルソン最高経営責任者(CEO)は同じフォーラムで、LNG価格の上昇に伴いLNGプロジェクトが世界的に加速する中、外国産設備不足で既に圧迫されているロシアの新規供給機会は狭められていると指摘。「国内で液化技術を開発する必要があり、そのためには全面的な(国の)融資に支えられた本格的な国産化が必要だ」と述べた。
ミケルソン氏によると、ノバテクは「アークティックLNG2」プロジェクトにおける第1の生産ラインをほぼ完成させたが、第2、第3ラインは制裁などにより困難に直面している。
1つのLNG生産ラインへの投資は約4000億ルーブル(70億ドル)に上り、一部のロシア企業が提供する設備は制裁前に自社が日本で支払っていた額の2倍にもなるという。