[ロンドン 20日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)は20日、アフリカは世界が低炭素技術に移行するまで必要とする天然ガスの膨大な埋蔵量から利益を得るため迅速に行動しなければならないと警告した。
アフリカのエネルギー見通し(2022年版)で、アフリカは今後10年の終わりまでに約300億立法メートル(bcm)の天然ガスをロシアへの依存軽減を目指す欧州に輸出できる立場となるとの見通しを示した。
IEAは21年版の見通しで、今世紀半ばまでに国連の目標であるネットゼロエミッションを達成するなら、今年から新たな化石燃料への投資は不要と指摘している。
ビロル事務局長はロイターのインタビューで、アフリカのガス開発はこれに矛盾しないと発言。
アフリカの温暖化ガス排出量は先進国のごく一部に過ぎないにもかかわらず、気候変動の矛先とされてきたし炭化水素収入獲得の時間も限られていると指摘。
「気候変動対策に必要なトップ500のリストを作るとしたら、アフリカがガスに関して行うことはそのリストに入らない」と述べた。
アフリカで発見されたガスが全て生産されれば、30年までに年間90bcmの追加供給が可能で、その約3分の2は地域の需要に、残りは輸出できるという。