[ブリュッセル 21日 ロイター] - 欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会は21日、もともとアフリカの開発事業に充てられていた基金の未使用資金を、ウクライナでの戦争による世界的な食糧危機に最もさらされているアフリカ諸国の支援に振り向けることを提案した。
ウクライナではロシアの侵攻のため港が封鎖され、多数の貧困国向け穀物が数百万トンも滞留している。
欧州委の声明によると、EU加盟国政府が提案に同意すれば、食糧危機の影響を最も受けているアフリカ、カリブ海、および太平洋地域の国々への支援を強化するため、6億ユーロ(6億3300万ドル)の支出が可能になる。
ロイターは今回の動きを5月に報じていた。EUとしてアフリカの人々の支持を得て、EUの対ロ制裁が食糧不足や肥料価格の高騰の原因ではないことをアフリカの友好国に理解してもらう取り組みの一環となる。
今週の定例首脳会談の最新の草案によると、EU首脳はアフリカでの肥料生産も支援して「開発途上国での資本投入、特に持続可能な肥料の生産能力の拡大を支援する」ための取り組みを推進する。
EUは、アフリカ、カリブ海、太平洋地域の国々への開発援助の大部分を、EU加盟国政府が直接出資する欧州開発基金(EDF)を通じて実施している。この資金の一部は通常、貧困国の農業支援に使う。