[ロンドン 6日 ロイター] - 国連機関によると、2021年に世界で飢餓に見舞われた人は新型コロナウイルス感染拡大の影響で急増した前年に続いて再び増加した。今年はウクライナでの戦争や気候変動により「前例のない規模」の飢えや大規模移住の恐れがあるという。
国連食糧農業機関(FAO)や世界食糧計画(WFP)、世界保健機関(WHO)などがまとめた食料安全保障と栄養に関する報告書によると、21年に飢餓に見舞われた人は世界人口のほぼ10%に当たる最大8億2800万人に上り、20年から4600万人、19年からは1億5000万人増加した。
世界の飢餓の状況は15─19年にかけてはおおむね横ばいだった。
WFPのビーズリー事務局長は「この数は今後数カ月でさらに増加する恐れがある」とし、ロシアとウクライナの戦争を受けた食料、燃料、肥料の高騰で各国が食糧不足に追い込まれかねないと指摘。
「その結果、世界の不安定化、飢え、前例のない規模の移住が起きるだろう。迫る危機を回避するため、すぐに行動する必要がある」と述べた。