[東京 16日 ロイター] - 今週の東京株式市場は、じり高基調となるとみられている。高値警戒感が広がるなか、米連邦公開市場委員会(FOMC)など重要イベントを控えており、上値追いに慎重な姿勢が広がりやすい。ただ公的資金の日本株買いを背景とした需給面での安心感から売り込みにくい局面にあり、底堅い展開が続きそうだ。
日経平均の予想レンジは1万8900円─1万9500円。
日本株の米国株離れが意識されている。11日の東京市場では前の日にダウ .DJI が330ドル以上の下落となったにもかかわらず日本株は上昇。翌12日も、さえない米株とは対照的に日経平均は267円高となり、約15年ぶりに1万9000円台を回復した。米国株が利上げ時期をめぐる観測に揺れる一方、欧州・日本市場には緩和マネーが流入し、さらに日本株には日銀や公的年金による買い支え期待感が加わる構図となっている。
今週もこうした流れが続くとみられているが、日経平均は13日までの3日間で終値ベースで589円高と急ピッチな上昇をみせており、短期的な過熱感が意識されやすい。ただ市場では「いったんはスピード調整となるだろう。17─18日のFOMCの警戒感も多少はあるが、日本国内では需給、企業業績も良好な状況にある」(岩井コスモ証券の木村勝・執行役員投資調査部長)と、しっかりとした展開が見込まれている。
もっとも東京市場では今年に入り内需関連株の堅調ぶりが目立つ。賃上げ機運が高まるなか、実質所得増への期待も先行しているが、バリュエーション面でかなり割高な水準となった銘柄も散見される。半面、主力輸出株はやや上値の重い展開となっているが、13日はトヨタ自動車 7203.T が一時8300円まで買われ、2007年2月に付けた上場来高値8350円に迫りつつある。
トヨタが上場来高値を更新すれば、株式市場にとっては明るいニュースとなりそうだ。「円安・株高というトレンドはまだ崩れてはいない。米国内ではドル高に対する警戒感があり政府筋の発言でドル高基調が変化すれば、日本株にも影響が出る」(アムンディ・ジャパンの高野雅永・投資調査部長)との声もあり、円安基調が継続できるかという部分もポイントとなるとみられている。
今週は16─17日に日銀金融政策決定会合が開かれる。18日は大手企業の春闘集中回答日。同日は2月貿易統計の発表と20年国債入札も予定されている。20日には2月の日銀金融政策決定会合の議事要旨が公表される。海外ではFOMCのほか、19─20日にはEU(欧州連合)首脳会議が予定されている。
(株式マーケットチーム)