[ロンドン 11日 ロイター] - 経済協力開発機構(OECD)は11日、世界的に重要原材料に対する輸出規制が過去10年間で5倍以上増加しており、各国政府の炭素排出量削減に向けた取り組みを阻害する可能性があるとの報告書を公表した。
OECDの調査によると、電気自動車や再生可能エネルギーに必要なリチウム、コバルト、レアアースといった原材料の世界輸出額の約1割が少なくとも一つの輸出制限措置を受けている。
OECDは「これらの措置が及ぼす世界全体の経済的影響は相当なものになる可能性がある」と指摘。この措置は、一般的に世界貿易機関(WTO)規則で禁止されている数量制限ではなく、禁じられていない輸出税の形を取ることが多いという。
調査対象期間である2009─20年に新たな輸出規制を行った件数の上位6カ国は、中国、インド、アルゼンチン、ロシア、ベトナム、カザフスタンだった。
規制拡大ペースは鉱石などの上流部門が他の部門よりも速かった。重要原材料の生産は過去10年間で集中度が高まっており、最も集中している10の原材料のうち、6つのトップ3に中国が入っているという。