[ワシントン 17日 ロイター] - 米商務省は17日、中国、ドイツ、カナダからのスズメッキ鋼に暫定的な反ダンピング(不当廉売)関税を設定すると発表した。国内鉄鋼メーカーの保護が狙い。ただ、スズメッキ鋼を使用する缶詰などの値上がりが懸念されている。
関税率は中国から輸入されるスズメッキ鋼に122.5%、ドイツからの輸入に7.02%、カナダからの輸入に5.29%。英国、オランダ、韓国、台湾、トルコから輸入されるスズメッキ鋼に関税は課されないという。
商務省の担当者は記者団に、カナダ、ドイツ、中国の生産者が自国市場よりも低い価格でスズメッキ鋼を販売していることが判明したと説明。中国の関税率が高くなったのは主要生産者が調査に協力しなかったことなどが理由という。
米国のスズメッキ鋼輸入のシェアを見ると、関税を免れた5カ国・地域が約半分を占め、中国は約14%、カナダとドイツは約30%だという。
業界団体「缶製造業者協会」は今回の決定に先立ち、米鉄鋼メーカーは現在、国内の製缶に必要なブリキの半分以下しか生産していないため、新たな輸入関税は材料費と食品価格の上昇につながると主張した。