[パリ/アテネ/ASAGIOKCULAR(トルコ) 23日 ロイター] - 欧州では熱波による被害が拡大している。各地で山火事が発生し、トルコでは穀物輸送に使われるダーダネルス海峡で船舶の通行が停止する事態となった。ギリシャでも移民とみられる18人の死亡が確認された。
フランス南部では熱波警戒警報が強化された。気温上昇で冷却水の供給に影響が出ており、原子力発電所の稼働が制限されている。
ギリシャでは山火事の影響で高齢者施設から約150人が避難を余儀なくされた。アテネの北約25キロにある移民キャンプからも700人が避難した。
トルコでは西部のチャナッカレ県で森林火災が発生し、消火活動の影響でエーゲ海と黒海の間にあるダーダネルス海峡で船舶の通行が停止する事態となった。この海峡は原油や穀物などの輸送ルートとして使われる。
この夏4度目となる熱波に見舞われているスペインでも、非政府組織(NGO)団体が食料や生活必需品に加えて扇風機を供給している。
イタリア保健省はローマやミラノ、フィレンツェなど27の主要都市のうち17都市で23─24日に熱波警報を発令した。
フランス当局は22日、南仏地域の熱波警報を拡大した。一部登山計画の延期を求めたほか、猛暑対策としてブドウの収穫を早朝に始めて午前中に終了するよう勧告した。大半の地域で高温となっており、ワインの産地であるローヌ渓谷では今後48時間に最高気温が42度に達するとの予報が出ている。