Florence Tan Jeslyn Lerh
[シンガポール 19日 ロイター] - 米国産原油の指標となるWTI価格が最近急騰した影響で、米国で調達した原油を欧州やアジアで売却する取引が途絶えている。
サウジアラビアの主導による「OPECプラス」の供給削減と、米シェールオイルの生産減少がWTIを押し上げた要因。このため米国産原油は需給が引き締まった国内にとどまった上に、WTIの北海ブレントに対するディスカウント幅も8月以降で最小となり、外国人にとっては米国産原油を積極的に買いにくい地合いに変わった。
シンガポールに拠点を置くあるトレーダーは「米国から欧州とアジアに原油を回す道はふさがれた。これはOPECプラスの動きのせいだと思う」と指摘した。
WTIにつれて北海ブレント価格も上昇しており、アジアの精製業者は今後、中東産原油に依存することになるだろうと複数のトレーダーは話した。