Natalie Grover Robert Harvey Alex Lawler
[ロンドン 11日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」が合意した来年第1・四半期の日量約220万バレル減産は、期間が十分ではない可能性があると、アナリストやトレーダーらはみている。減産実施を前に、原油の現物価格と先物価格が下落し供給過剰の兆しが強まっていることが背景。
OPECプラスは、来年初めに日量約220万バレルの自主減産を実施することで先月末に合意。サウジアラビアの自主減産(100万バレル)延長とロシアの自主減産(30万バレル)延長が含まれるほか、ロシアが自主減産を20万バレル拡大し、残りは他国が分担する。
しかしこの計画にもかかわらず、北海ブレント先物は7日に1バレル=74ドルを割り込み、6カ月ぶりの安値を付けた。
サウジとロシアは必要であれば減産を延長する可能性があるとしているが、アナリストやトレーダーは新たな合意の期間が3カ月という短期になったことに驚きを示している。
原油のベテラントレーダーでサリー・クリーン・エネルギーのディレクターであるアディ・イムシロビッチ氏は「3カ月の減産は全ての国が順守したとしても供給面で意味のある変化をもたらすには十分な期間と思えない」とロイターに語った。
期間が短いことに加え、減産実施までに1─2カ月のタイムラグが生じることから1月末ごろまで現物市場で供給削減の兆しがほとんど見られない可能性がある。
マッコーリーのアナリストは「(11月30日の)会合が強気と受け止められるには第2・四半期または第3・四半期までの減産継続が必要になる可能性がある」と指摘した。