[ワシントン 11日 ロイター] - 米国が昨年10月以降、主要7カ国(G7)がロシア産原油に設定した上限価格の適用を強化したことで、ロシアが世界市場で得られる原油収入に打撃を与えており、ウクライナ戦争に振り向ける財源が減少している。米財務省高官が11日、記者団に語った。
国際指標となる北海ブレント原油とロシア産ウラル原油の価格差は、米国が1バレル=60ドルの上限価格を超えるロシア産原油を運んでいると疑われるタンカーに制裁を科すことでG7による上限価格の適用を強化して以降、約40%拡大した。
高官によると、ウラル原油の価格は昨年10月時点で北海ブレント原油より約13ドル低い水準だったが、価格差は現在、約18.50ドルに広がっている。
G7と欧州連合(EU)、オーストラリアによる措置は、1バレル当たり60ドル以上のロシア産原油を運ぶタンカーを対象に、西側による海上サービスの利用を禁じている。西側諸国は2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻後、この措置を導入した。
米財務省は昨年10月以降、上限価格規制に従わなかった疑いのあるタンカー約8隻に制裁を科している。
ロシア財務省が11日発表した統計によると、昨年の連邦予算における原油・ガスの販売に伴う歳入は、原油価格の下落と欧州向けガス販売の減少が響き、前年比約24%減の8兆8220億ルーブル(994億ドル)だった。