[北京 17日 ロイター] - 中国国家統計局が17日発表した2023年の粗鋼生産は前年比横ばいの約10億2000万トンとなった。底堅い需要に加え、政府による生産制限がなかったことから稼働率が高まり、過去2年間の減少から安定した。
21年と22年は政府が二酸化炭素排出を削減するために生産に上限を設けていたため、それぞれ3%、1.7%減少していた。
アナリストによると、23年はこうした上限がなく、景気下支えと不動産セクター再生が優先されたことが生産安定化に寄与した。
シティのアナリストは、造船、太陽光発電、自動車セクターからの堅調な需要が不動産セクターの需要不足を一部補ったと指摘した。
また、チャイナ・フューチャーズのアナリストは、鉄鋼輸出が予想を上回ったことも比較的高い稼働率維持につながったとの見方を示した。
ただ月間ベースでは12月の生産は前月比11.4%減の6744万トンと5カ月連続で減少し、17年12月以来の低水準を記録した。
データに基づくロイターの計算によると、12月の生産量は1日平均約218万トンに相当する。