[ブリュッセル 18日 ロイター] - 欧州連合(EU)の欧州委員会が、2040年までに域内の温室効果ガスの純排出量を1990年比で90%削減するよう勧告する方針であることが分かった。関係筋が18日、ロイターに明らかにした。
EUは2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることを目標としており、初めてとなる40年の気候変動目標の策定を進めている。30年までには純排出量を1990年と比べて55%削減することを目指している。
関係筋によると、欧州委は今年2月6日に勧告を発表する。欧州で気候変動コストが膨らんでいることや、40年までに90%排出削減した場合の化石燃料輸入の削減を含めた経済効果が提示される。
今年6月の欧州議会選挙を控え、新たな目標は欧州の野心的なグリーンアジェンダを継続できるかどうかを占う試金石となる見込みだ。選挙後に新体制が発足する欧州委が、目標の法制化に向けて最終的な勧告を定める。
EU加盟国のうちデンマーク、ポーランド、ブルガリアなどが40年までに90%削減する目標に前向きな姿勢を示している。一方、ハンガリーの高官は17日に支持するかどうかを明言せず、目標は「現実的」でなくてはならないと訴えた。