Marwa Rashad
[ロンドン 14日 ロイター] - 英調査会社ウッド・マッケンジーは14日、今夏の欧州ガス価格は、現在水準より15%安い1MMBTU(百万英熱量単位)当たり6.70ドルまで下落するとの見通しを示した。温暖気候でガス貯蔵率は55%に達しているという。
欧州の天然ガス指標となるオランダTTFの2月の先物相場は、ロシアによるウクライナ侵攻前の水準に下落。現在は、1メガワット時(MhW)当たり約25ユーロ(1MMBTU=約8ドル)で取引されている。2022年8月は、過去最高の306ユーロまで高騰していた。
ウッド・マッケンジーはリポートで、欧州は2年連続で暖冬となり、24年7月末時点のガス貯蔵率は89%に達し、さらに価格が押し下げられるとの見通しを示した。
欧州ガス・アンド・LNGマーケッツの幹部は、「ガスの貯蔵能力は夏の終わりにかけ、ほぼ満杯になり、最大100億立方メートルの供給過剰が見込まれる。このため、ウクライナの地下貯蔵施設ないし洋上液化天然ガス(LNG)施設に保管する必要がある」との見方を示した。