■事業概要
2. ビジネスモデル
近年のグループ戦略の中で、2020年6月期は、デクワスの子会社化によりネット広告サービスが大きく拡大し、デジタルナレッジマネジメントの成長でOMO推進サービスも第3の柱と期待されるほどの規模になった。
2022年6月期は、ZETAとの経営統合によりCX改善サービスが大きく伸びているところである。
サイジニア (T:6031)の収益モデルは、サービスごとに、自社ソリューションのライセンス収入など継続課金型のストックモデルや、広告配信に対する課金など売り切り型のフローモデルになっている。
サービス別に見ると、ネット広告サービスは、基本的な課金方式が広告枠費に一定手数料を加えた従量型の課金と成果報酬型の課金となる。
原価は広告枠費が全体の63%(2021年6月期実績。
以下同)を占めるため変動費の割合が高く、固定費はデータセンター賃借料や人件費などである。
CX改善サービスは、基本的な課金方式が初期の導入費用のほか従量型、ライセンス型、成果報酬型の課金になっている。
原価は人件費が全体の64%を占めるなど固定費の割合が高く、変動費は通信費や業務委託費などである。
OMO推進サービスの基本的な課金方式は、「デクワス・マイビジネス」が固定課金、「ZETA CLICK」が初期導入費用のほか従量型とライセンス型の課金となっている。
原価はエンジニア労務費が大半を占める。
ネット広告サービスはときに急成長する売り切り型のフロービジネス、CX改善サービス及びOMO推進サービスは堅実に成長していく積み上げ型のストックビジネスということになり、各サービスの売上伸長とともに、収益バランスの取れた事業ポートフォリオに進化しているところである。
強みが強みを呼ぶ流れ
3. 同社の強み
同社の競争力の源泉は、AI技術に対する積極的な投資と研究開発、所有特許の自社製品への活用など技術開発力、同社とデクワス、ZETA3社によるシナジー創出とECにおける一気通貫したデジタルマーケティングサービスの提供、イベント・セミナーを通じたブランドポジショニングの確立とEC事業者におけるトップクラスの高シェアにある。
また、グループ企業もそれぞれ強みを持っており、同社は、保有特許数14件など独自技術を知財化していく研究開発力、そうした技術を競争力あるソリューションサービスへと展開する応用力が強みであり、デクワスは、ビッグデータ解析と、AI技術を結集したターゲティング力により顧客企業のブランド認知からコンバージョン促進までをサポートする体制、ZETAが、年間検索クエリ数950億超という高速処理能力によるユーザーが欲しい商品を素早く検索できるECサイト内検索機能が強みである。
さらに、創業以前より培ってきた複雑ネットワーク理論や複雑系の概念が同社の解析技術の基盤となっていることから、異なる業種業態やグループの様々なサービス体系に対し基礎技術を共有できることも強みとなっている。
こうした強みは、安定的で利益率の高いライセンス売上の増加に伴うストック型ビジネスの拡大や、蓄積してきたビッグデータを活用したクチコミビジネスの展開など、新たな強みにつながっていくと考えられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
2. ビジネスモデル
近年のグループ戦略の中で、2020年6月期は、デクワスの子会社化によりネット広告サービスが大きく拡大し、デジタルナレッジマネジメントの成長でOMO推進サービスも第3の柱と期待されるほどの規模になった。
2022年6月期は、ZETAとの経営統合によりCX改善サービスが大きく伸びているところである。
サイジニア (T:6031)の収益モデルは、サービスごとに、自社ソリューションのライセンス収入など継続課金型のストックモデルや、広告配信に対する課金など売り切り型のフローモデルになっている。
サービス別に見ると、ネット広告サービスは、基本的な課金方式が広告枠費に一定手数料を加えた従量型の課金と成果報酬型の課金となる。
原価は広告枠費が全体の63%(2021年6月期実績。
以下同)を占めるため変動費の割合が高く、固定費はデータセンター賃借料や人件費などである。
CX改善サービスは、基本的な課金方式が初期の導入費用のほか従量型、ライセンス型、成果報酬型の課金になっている。
原価は人件費が全体の64%を占めるなど固定費の割合が高く、変動費は通信費や業務委託費などである。
OMO推進サービスの基本的な課金方式は、「デクワス・マイビジネス」が固定課金、「ZETA CLICK」が初期導入費用のほか従量型とライセンス型の課金となっている。
原価はエンジニア労務費が大半を占める。
ネット広告サービスはときに急成長する売り切り型のフロービジネス、CX改善サービス及びOMO推進サービスは堅実に成長していく積み上げ型のストックビジネスということになり、各サービスの売上伸長とともに、収益バランスの取れた事業ポートフォリオに進化しているところである。
強みが強みを呼ぶ流れ
3. 同社の強み
同社の競争力の源泉は、AI技術に対する積極的な投資と研究開発、所有特許の自社製品への活用など技術開発力、同社とデクワス、ZETA3社によるシナジー創出とECにおける一気通貫したデジタルマーケティングサービスの提供、イベント・セミナーを通じたブランドポジショニングの確立とEC事業者におけるトップクラスの高シェアにある。
また、グループ企業もそれぞれ強みを持っており、同社は、保有特許数14件など独自技術を知財化していく研究開発力、そうした技術を競争力あるソリューションサービスへと展開する応用力が強みであり、デクワスは、ビッグデータ解析と、AI技術を結集したターゲティング力により顧客企業のブランド認知からコンバージョン促進までをサポートする体制、ZETAが、年間検索クエリ数950億超という高速処理能力によるユーザーが欲しい商品を素早く検索できるECサイト内検索機能が強みである。
さらに、創業以前より培ってきた複雑ネットワーク理論や複雑系の概念が同社の解析技術の基盤となっていることから、異なる業種業態やグループの様々なサービス体系に対し基礎技術を共有できることも強みとなっている。
こうした強みは、安定的で利益率の高いライセンス売上の増加に伴うストック型ビジネスの拡大や、蓄積してきたビッグデータを活用したクチコミビジネスの展開など、新たな強みにつながっていくと考えられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)