[23日 ロイター] - LCHインベストメンツのデータによると、2022年に世界のヘッジファンド業界の運用成績上位20社は顧客向け利益が合計224億ドルだった。654億ドルだった前年の半分にも届かず、2016年以降で最低となった。20年は635億ドル、19年は593億ドルとなっていた。
昨年は金利上昇を巡る不安や地政学的な不確実性が市場を圧迫。こうした中、取引戦略に重点を置くファンドやマクロ経済の基調に賭けたファンドが利益を稼ぎ出した。
LCHのリック・ソーファー会長は、22年はヘッジファンドの運用成績が「大きくばらついた」と指摘。株式と債券の相場が大きく下落したにもかかわらず、いくつかのファンドはかろうじて利益を確保したと説明した。
昨年はS&P総合500種が約20%下落するなど厳しい市場環境の中、タイガー・グローバル・マネジメントやサード・ポイントといった、優良株に投資するヘッジファンドが損失を計上。全体では2080億ドルの損失となり、合計損失額は5650億ドルだった08年以降で最大を記録した。
昨年の利益はケン・グリフィン氏のシタデルが160億ドルで首位。ブリッジウォーターは62億ドルだった。このほか上位10社にはD.E.ショー、ミレニアム・マネジメント、ソロス・ファンド・マネジメント、エリオット・マネジメント、バイキング・グローバル・インベスターズなどが名を連ねた。