[東京 30日 ロイター] - ドル/円 JPY= ユーロ/ドル EUR= ユーロ/円 EURJPY= 正午現在 118.79/81 1.1113/17 132.02/06 午前9時現在 118.98/00 1.1110/14 132.20/24 NY午後5時 119.00/06 1.1126/31 132.40/44
正午のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、小幅にドル安/円高の1 18円後半。日銀決定会合の結果を控え、投機筋はポジション調整に終始する一方、実需 勢は動意に乏しかった。前日2カ月ぶり高値を付けたユーロ/円では利益確定売りが先行 した。
ドルは朝方119.18円と午前の高値を付けたあと、じりじりと売り込まれた。前 日約2カ月ぶり高値となる132.89円まで上昇したユーロ/円は、朝方の高値132 .51円から132円ちょうどまで売られ、ドル/円での円高にも波及した。オプション 関連の売りオーダーもドルの上値余地を限定的にしているという。実需勢の動きは鈍く、 きょう夕方から、大型連休中のリーブ・オーダーを準備する予定だという。
<ドル安ストーリーは円以外の通貨で>
この日は日銀決定会合が注目されているが、一部の海外勢は追加緩和の期待を依然持 ち続けているという。 このため、「追加緩和見送りならいったん円が買い戻されドル/円は下がりそうだが 、下がっても118円半ばが限度だろう」とマネックス証券、シニア・ストラテジストの 山本雅文氏は見ている。
理由は、投資家のドル買い/円売りフローに加え、「ドル安ストーリーが円以外の通 貨で進行している」(同)ためだという。 「ドル/円自体がほとんど動かなくなっているので、ヘッジファンドの関心が薄れ、 彼らのドル売り・ストーリーはユーロ、英ポンド、豪ドルなどその他の通貨が舞台になっ ている」と山本氏は言う。
前日の海外市場ではドル/円が一時119.36円まで上昇したが、27日に付けた 高値に及ばなかった。 これに対して、英ポンドは1.54925ドルまで上昇し、2カ月超ぶり高値を更新 。ユーロも1.1188ドルと約2カ月ぶり高値を更新した。豪ドルも0.8073米ド ルまで買い進まれ3カ月ぶり高値を付けている。
<原油反発とBEI上昇で米10年国債利回り2%台>
予想外に弱い米GDPなど、米国では弱い景気指標が続いているにもかかわらず、米 10年国債利回りは、前日一時2.0810%まで上昇し、1カ月半ぶりの高水準となっ た。 正午時点で同利回りは2.0228/2.0211%の気配となっている。
「米金利の低下過程では、原油安やFRBの早期利上げ観測後退などが背景となって いたが、足元では、原油価格が上昇し、BEI(ブレーク・イーブン・インフレ率)を押 し上げ、長い方(中長期債利回り)が上昇している」とSMBC日興証券、シニア金利ス トラテジストの野地慎氏は言う。 さらに、低利回りのドイツ国債との比較から、米国債が選好されていた部分について は、ドイツ国債の利回り上昇を受けた米国債ロングの巻き戻しが、利回り上昇に貢献して いるという。
原油価格 Clc1 は3月18日に1バレル=42.03ドルを付けたあと切り返して上 昇トレンドに入った。現在58.68ドル付近。
ただ、この反発過程で「投機筋の間では、ロングが相当たまってきていると考えられ 、60ドルの手前では売りが出てくるだろう。その際には、原油安とBEIの反落で、米 国債のショートカバー(利回り低下)が予想される」と野地氏は述べ、現在の米長期金利 の上昇基調が維持されないとの見方を示した。 一方、ドイツ国債については「財政黒字の国で(国債の供給が少ないなか)、ECB が買い入れにコミットしているので、利回りが継続して上昇する余地は限られる」と同氏 は言う。
(為替マーケットチーム)