[北京/台北 9日 ロイター] - 中国軍は8日、台湾周辺で同日に戦闘訓練を行ったと発表した。こうした訓練はここ1カ月足らずで2回目。台湾の国防部(国防省)は57機の中国軍機を探知したと明らかにした。
中国人民解放軍東部戦区司令部は8日夜の声明で、台湾周辺の海空域で「統合戦闘準備パトロールと実戦訓練」を実施し、地上攻撃と海上攻撃に焦点を当てたと発表。
統合戦闘能力を点検し、「外部勢力と台湾独立分離主義勢力の挑発的な行動に断固として対抗する」ことが目的だったと説明した。
台湾国防部は9日、過去24時間に台湾周辺で中国軍機57機と海軍艦艇4隻を探知と明らかにした。このうち28機は台湾の防空識別圏(ADIZ)に侵入し、国防部が提供した地図によると、一部が台湾海峡の中間線を越えたほか、核弾頭搭載可能なH6爆撃機2機が台湾の南を飛行した。
台湾総統府は、中国が「根拠のない批判」をしていると指摘し、台湾海峡と地域の平和と安定は台湾と中国共通の責任だとして中国軍の訓練を非難した。
台湾の立場は、対立をエスカレートさせたり紛争を挑発することはしないが、主権と安全保障は断固守ることだと表明した。
また台湾を訪問しているドイツ議員団の有力議員は9日、中国の軍事侵攻は容認できないとし、「われわれの台湾訪問は支援を表す」と立法院(議会)議長に述べた。
中国は12月下旬にも同様の訓練を実施しており、台湾はその際、中国機43機が中間線を越えたとしていた。