■要約
アクアライン (T:6173)は、1994年に広島で創業された水まわり緊急修理サービスの専門会社である。
水まわり緊急修理業界は建物の老朽化などを背景に成長しており、同社は全国展開大手3社の一角を占める。
エリア別の子会社を競わせる方式で全国展開し、2008年にスケールメリットを生かすために子会社を吸収合併し、本社機能を東京に移した。
現在は、同社の事業テーマである「水」 に関連したミネラルウォーターの販売 ・ウォーターディスペンサー取扱い事業も手掛けている。
2015年8月に業界初の上場(東証マザーズ)を果たした。
1. 水まわり修理市場と独自のビジネスモデル
水まわりの緊急修理の市場規模は約800億円と推定され、住宅の築年数増加による水まわり設備の老朽化などにより、緩やかな成長が続いている。
プレーヤーとしては、地場の水まわりを行う工務店が高齢化などの要因で廃業が続いており、同社を含む全国展開大手3社が成長する構図である。
大手の中では、(株)クラシアン(本社:横浜)の規模が大きく、次いで(株)イースマイル(本社:大阪、東京)、同社は業界3位のポジションであり、唯一の上場企業である。
同社のビジネスモデルの特長の一つは、全サービススタッフ及びコールセンタースタッフが正社員であることである。
これは自らの事業を「修理業」ではなく「サービス業」と再定義したところが出発点になっている。
技術のみならずマナーや身だしなみにも徹底的に配慮し、そのための研修制度も充実している。
トラブル箇所以外の修理提案や水まわり製品の買い替え提案なども行えるサービススタッフが同社の強みであり、顧客単価を向上させている。
また、自前のコールセンターにも質の高いスタッフがそろい、同社の強みとなっている。
2. 業績動向
2017年2月期通期は、売上高が前期比16.4%増の4,306百万円、営業利益が同3.9%増の342百万円、経常利益が同8.6%増の339百万円、当期純利益が同12.6%増の219百万円と5期連続の増収増益を達成した。
主力の水まわり緊急修理サービス事業の施工件数が伸びたことや平均施工単価が上昇したことが増収の主因である。
重要施策として取り組んできた業務提携先との関係強化が想定以上に実績に結びついたことや、ミネラルウォーターの販売事業において保存水の入替特需などがあり、増収を後押しした。
利益面も順調ではあるが、事業拡大に備えたコールセンタースタッフ及びサービススタッフの採用や先行的な広告宣伝費の増加など先行投資的な費用が増えたために、利益の成長はやや抑えられた。
2018年2月期通期の業績予想は、売上高で前期比6.9%増の4,605百万円、営業利益で同18.1%増の404百万円、経常利益で同18.2%増の400百万円、当期純利益で同23.0%増の270百万円と増収増益の見通しだ。
3. 中長期戦略
同社は2017年5月にリフォーム市場への参入を担う新会社「リモデルコンシェルジュ(株)」を立ち上げた。
この新会社は、実際の施工は行わず、顧客とともにリフォームプランを作成し、施工店を紹介するサービスを行う。
収入モデルとしては、施工を行った業者から一定割合の手数料を得る予定だ。
同社に水まわり緊急修理に依頼があった顧客の要望を活用し、リフォームニーズを掘り起こす狙いだ。
新会社は同社100%出資で、同社の代表取締役社長大垣内剛(おおこうちたけし)社長が社長を兼任し早期黒字化を目指す。
■Key Points
・水まわり修理大手3社の一角、全員正社員化など独自色
・5期連続増収増益を達成
・新会社を設立しリフォーム業界に参入
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
アクアライン (T:6173)は、1994年に広島で創業された水まわり緊急修理サービスの専門会社である。
水まわり緊急修理業界は建物の老朽化などを背景に成長しており、同社は全国展開大手3社の一角を占める。
エリア別の子会社を競わせる方式で全国展開し、2008年にスケールメリットを生かすために子会社を吸収合併し、本社機能を東京に移した。
現在は、同社の事業テーマである「水」 に関連したミネラルウォーターの販売 ・ウォーターディスペンサー取扱い事業も手掛けている。
2015年8月に業界初の上場(東証マザーズ)を果たした。
1. 水まわり修理市場と独自のビジネスモデル
水まわりの緊急修理の市場規模は約800億円と推定され、住宅の築年数増加による水まわり設備の老朽化などにより、緩やかな成長が続いている。
プレーヤーとしては、地場の水まわりを行う工務店が高齢化などの要因で廃業が続いており、同社を含む全国展開大手3社が成長する構図である。
大手の中では、(株)クラシアン(本社:横浜)の規模が大きく、次いで(株)イースマイル(本社:大阪、東京)、同社は業界3位のポジションであり、唯一の上場企業である。
同社のビジネスモデルの特長の一つは、全サービススタッフ及びコールセンタースタッフが正社員であることである。
これは自らの事業を「修理業」ではなく「サービス業」と再定義したところが出発点になっている。
技術のみならずマナーや身だしなみにも徹底的に配慮し、そのための研修制度も充実している。
トラブル箇所以外の修理提案や水まわり製品の買い替え提案なども行えるサービススタッフが同社の強みであり、顧客単価を向上させている。
また、自前のコールセンターにも質の高いスタッフがそろい、同社の強みとなっている。
2. 業績動向
2017年2月期通期は、売上高が前期比16.4%増の4,306百万円、営業利益が同3.9%増の342百万円、経常利益が同8.6%増の339百万円、当期純利益が同12.6%増の219百万円と5期連続の増収増益を達成した。
主力の水まわり緊急修理サービス事業の施工件数が伸びたことや平均施工単価が上昇したことが増収の主因である。
重要施策として取り組んできた業務提携先との関係強化が想定以上に実績に結びついたことや、ミネラルウォーターの販売事業において保存水の入替特需などがあり、増収を後押しした。
利益面も順調ではあるが、事業拡大に備えたコールセンタースタッフ及びサービススタッフの採用や先行的な広告宣伝費の増加など先行投資的な費用が増えたために、利益の成長はやや抑えられた。
2018年2月期通期の業績予想は、売上高で前期比6.9%増の4,605百万円、営業利益で同18.1%増の404百万円、経常利益で同18.2%増の400百万円、当期純利益で同23.0%増の270百万円と増収増益の見通しだ。
3. 中長期戦略
同社は2017年5月にリフォーム市場への参入を担う新会社「リモデルコンシェルジュ(株)」を立ち上げた。
この新会社は、実際の施工は行わず、顧客とともにリフォームプランを作成し、施工店を紹介するサービスを行う。
収入モデルとしては、施工を行った業者から一定割合の手数料を得る予定だ。
同社に水まわり緊急修理に依頼があった顧客の要望を活用し、リフォームニーズを掘り起こす狙いだ。
新会社は同社100%出資で、同社の代表取締役社長大垣内剛(おおこうちたけし)社長が社長を兼任し早期黒字化を目指す。
■Key Points
・水まわり修理大手3社の一角、全員正社員化など独自色
・5期連続増収増益を達成
・新会社を設立しリフォーム業界に参入
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)