ドル/円
正午現在 88.17/22 1.2218/21 107.74/79
午前9時現在 88.49/54 1.2227/30 108.24/27
NY17時現在 88.35/39 1.2230/35 108.19/24
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[東京 1日 ロイター] 正午のドル/円は、ニューヨーク市場の午後5時時点から
小幅安の88円前半で推移している。一時88.10円まで売られ、約2カ月ぶり安値を
更新した。6月の中国PMIが事前予想を下回り、中国株が前日比マイナスとなる場面が
あったことから、じわりとリスク回避ムードが広がった。2日発表の米雇用統計をにらん
で市場はリスク回避に向かいやすくなっており、ショートカバーを交えながらじりじり下
値を切り下げた。
6月の日銀短観がロイター予測を上回ったことでドル/円はいったん買われ、
88.57円のきょうの高値をつけた。「このところのリスク回避の流れで短期筋のポジ
ションがショートに傾いており、ポジション調整が入ったようだ」(国内銀行)という。
しかし、その後始まった日経平均<.N225>が年初来安値を更新するなど、株安は米国株
からアジア株に連鎖。市場の注目は中国の6月PMIに向かい、弱い内容を見込んで事前
にクロス円やドル/円の売りが優勢になった。発表されたPMIは52.1と、ロイター
予想(53.1)を下回ったが、発表後は事前に売った向きの買い戻しが出ていったん下
げ渋り、その後、PMIを受けた上海総合指数<.SSEC>への懸念から再び売りが優勢にな
った。軟調に始まった上海総合指数<.SSEC>が切り返すとドル/円やクロス円にも買い戻
しが入ったが、再び下げに転じると改めて売り直される不安定な展開が続いている。
「中国PMIが悪かったから地合いが悪化したというより、地合いの悪さから市場が売
り材料を探している状態。ただ、それだけに参加者はみな事前にショートを作って悪い結
果に備える。その分ショートカバーも入りやすくなっているが、米雇用統計までトレンド
はリスク回避だ」(大手銀行)との声が上がっている。
<ECB3カ月物オペ受けた楽観論に限度>
31日に実施されたECBによる3カ月物オペ(金利1.00%)の供給額は、ロイタ
ー予想(2100億ユーロ)を下回る1319億ユーロにとどまった。市場では、欧州金
融機関は懸念されたほどECBに頼らずに市場で資金を調達できるとの見方が広がり、海
外市場でユーロは一時1.23ドル近辺まで買い戻された。
しかし、銀行間金利(EURIBOR3カ月物で0.767%)を上回るコストで欧州
の金融機関が1319億ユーロを調達したことも事実。「市場はいったんは好材料と受け
止めたが、安心しきれずにユーロの戻りも限られた」(大手銀行)という。
また、7月1日に1年物オペが期日を迎え「今後はより短い期間のオペで資金供給して
いくことになる。銀行の資金調達は1年物オペを利用していたころよりは不安定になる。
欧州の銀行が本当に健全ならいいが、そうでないなら傷口を広げることになりかねない」
(住友信託銀行マーケット・ストラテジスト、瀬良礼子氏)との声も上がっている。
(ロイター日本語ニュース 松平陽子)