ミルウォーキー発-産業用工具とソリューションの世界的プロバイダーであるエナパック・ツール・グループ社（NYSE: EPAC）は、産業用重量物輸送分野におけるスペインのリーダーであるDTAザ・スマート・ムーブ社（DTA The Smart Move, S.A.）の買収完了を発表した。同社のプレス・ステートメントによると、この買収額は2,400万ユーロで、3年間の追加アーンアウトの可能性があり、本日完了した。
マドリードに本社を置くDTA社は、産業用重量物輸送のための移動ロボットソリューションの設計・製造に特化している。この買収により、エナパックのヘビーリフティングテクノロジー（HLT）ポートフォリオに自動水平移動製品が追加され、産業オートメーション化の流れに沿うことが期待される。
この買収は、手元資金とクレジット・ファシリティからの借り入れで賄われ、鉄道、風力、インフラ、航空宇宙、原子力といった既存の垂直市場におけるエナパックの製品ラインアップを強化するものと期待されている。2025会計年度において、DTAは約2,000万ユーロの売上高を見込んでおり、エナパックの調整後1株当たり利益（1回限りの取引費用を除く、シナジー会計適用前）には中立的な影響を与えるものと思われる。
エナパック・ツールグループのポール・スターンリーブ社長兼最高経営責任者（CEO）は、「DTAの製品と専門知識の統合により、エナパックはより幅広い顧客ニーズに対応し、株主価値を創造することができる」と述べ、今回の買収に前向きな姿勢を示した。
エナパックツールグループは1910年に設立され、ウィスコンシン州に本社を置き、100カ国以上で事業を展開し、高圧油圧工具、制御力製品、重量物位置決めソリューションを提供している。DTA社は1972年に設立され、50カ国以上に販売し、1トンから1,200トンまでの荷重に対応可能な自走式トランスポーターの革新の歴史をもたらしている。
プレスリリースに記載されている将来の見通しに関する記述には、経済情勢や市場での受け入れ状況など、実際の結果に影響を与えうるリスクや不確定要素が含まれています。今回の買収は、戦略的買収を通じて成長し、グローバルな事業展開を拡大するというエナパックの広範な戦略の一環である。
その他の最近のニュースとして、エナパックツールグループはAクラス普通株の年間現金配当を宣言し、株主は1株当たり0.04ドルの配当を受け取ることになった。同社はまた、2024年度第3四半期において、地域的な課題に直面しながらも、有機的な収益の小幅な伸びを報告した。電子商取引収入が大幅に増加し、欧州で新しい電子商取引サイトの立ち上げに成功したことが業績に大きく貢献した。
こうした動きの中、エナパックツールグループは、エリック・チャック氏を新たな業務担当上級副社長に任命した。チャック氏は、モホーク・インダストリーズ社、ブリッグス＆ストラットン社、SPXコーポレーション社、IDEXコーポレーション社での上級職で豊富な経験を持ち、同社の業務効率と競争力の強化に注力する。
エナパックツールグループは、決算説明会において、通年の既存事業売上高成長率を2～3％、調整後EBITDAを1億4,700万～1億5,000万ドルと予想した。米州の減収とアジア太平洋地域の課題にもかかわらず、同社は26会計年度までの既存事業売上高年平均成長率（CAGR）6～7％の予測を維持している。このような最近の動向は、市場が困難な状況にある中、同社の回復力と戦略的適応力を強調するものである。
インベスティング・プロの洞察
エナパック・ツール・グループ（NYSE: EPAC）がDTAの戦略的買収により産業オートメーション部門での地位を固める中、同社の財務の健全性と市場実績は投資家にとって心強い背景となる。エナパックは、2024年第3四半期現在、過去12カ月間で51.37%という堅調な売上総利益率を誇っており、生産コストの効率的な管理と収益性の維持が強調されている。
株主還元に対する同社のコミットメントは明白であり、20年連続の配当実績は同社の財務安定性と慎重な資本管理の証である。このような一貫した株主還元は、DTA買収後の前向きな見通しと一致している。また、エナパックの時価総額は21億7000万ドルで、同社のビジネスモデルと成長見通しに対する投資家の信頼を反映している。
2024年第3四半期時点の過去12ヵ月間のPERは26.05倍、調整後PERは23.56倍であり、エナパックは短期的な収益成長に対する投資家の楽観を示唆する評価で取引されている。これはさらに、同期間の同社の10.83%という素晴らしい総資産利益率によって裏付けられており、利益を生み出すために資産を効率的に活用していることを示している。
より詳細な分析を求める投資家のために、エナパックの財務上の強みと市場の可能性を強調したインベスティング・プロのヒントが用意されている。これらのヒントのうち、1つはエナパックのピオトロスキー・スコアが9と完璧で、財務の健全性が高いことを示すもので、もう1つは昨年1年間のリターンの高さを指摘するもので、データカットオフ日現在、1年間の価格トータル・リターンは28.4%となっています。これらの洞察やその他の情報をご覧になりたい方は、InvestingProをご覧ください。
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