[ローマ 16日 ロイター] - イタリアは、新型コロナウイルス感染拡大が若年層を中心に加速している事態を受け、ディスコとクラブの閉鎖と、一部地域での夜間における屋外のマスク着用義務化に踏み切ると表明した。実施期間は17日から9月初めで、初の規制再導入となる。
データによると、イタリアで過去1週間に確認された新規感染者数は3週間前の2倍以上となっており、感染者の年齢の中央値が40歳以下に低下している。
新たな規制では、バーやパブに近い場所や、人が集まりやすい場所では午後6時から午前6時までの時間帯にマスク着用が義務付けられる。
スペランツァ保健相はフェイスブックに、「過去数カ月に払った犠牲を無にするわけにはいかない。われわれの最優先課題は、9月に、完全に安全な状態で学校を再開することでなければならない」と投稿した。
15日、同相は若者に対し、「親や祖父母を感染させるとの想定で」可能なかぎり慎重をきすよう求め、「現実に被害が生じる危険がある」と訴えた。
クラブについては、多数の人が集まるほか社会的距離(ソーシャルディスタンス)が確保されず、マスクも着用されていないとして批判が高まっていたが、政府は営業継続を認めていた。
16日に同国で確認された感染者数は479人、15日は629人だった。
医療専門家らは、夜の遊びや休暇先からの帰国者、社会的距離を無視する若者らが最近の感染急増の元凶になっているとしている。
2月21日に最初の感染が確認されて以来、イタリアでの新型コロナ死者は3万5000人を超えている。
一方、政府は12日、クロアチア、ギリシャ、マルタ、スペインからの帰国者に新型コロナ検査を義務付けると発表。これを受け、ローマの空港では16日、休暇先からの帰国者に対する検査が始まった。